奥美濃 不動山(1240.3m)

日程:2000年7月22日(土曜日)天気:晴

コースタイム:

揖斐総合庁舎(4:00)―入谷林道P(5:30)―不動滝(7:25)―不動山(11:0011:40)―入谷林道P(15:40)

メンバー:HT(CL)、KN(岐阜ケルン)
地形図: 広野 2.5万図へはここからアクセスできます。

記録

 今シーズン、不動と銚子は行こうと決めていたので、念願の一つがかなって満足しています。不動谷を遡行して中ノ谷を下降してくる行程は、余裕を持って一泊とするのがいいのでしょうが、早立ちして制限時間を決めるということで、揖斐総合庁舎に4:00集合して出発。同行者のNさんは、岐阜ケルンの時にいろいろ教えてもらった信頼できる先輩です。
 入谷林道は荒れているが、強引に奥までパジェロで突っ込む。これで30分は短縮できただろうか?金鉱山のある千回沢との二股から中ノ谷の出合までは、河原歩き。その後滝が出はじめ、大岩を乗り越すのに、右手を岩にかけよじ登ると、鎌首を持ち上げ、しっぽをブルブルと振るわせているマムシ君にびっくりして、せっかくよじ登った所から後ろ向きにジャンプして飛び降りた。Nさんいわく、「よくがまんしとってくれたは。」僕は聞く。「なにが?」「このマムシは、かみつくのをよくがまんしてくれたは。」ということで、不動滝には7時25分に着く。順調である。
 ここ数日の日照りで水量が少ないのか、落差70mあるソーメン滝は姿を消している。不動滝は、左岸のやせ尾根を強引によじ登り、その上の岩場は木の枝を頼りにモンキークライム。3段ある不動滝の上段の落ち口に降り立つのに、20分を要した。去年の滝見山行での偵察時には、小一時間かかったのを思えばすこぶる快調である。
 不動滝から上部は素晴らしい。滝は巻いたのが2〜3個。あとはシャワーを浴びてのフリークライム。Nさんは相変わらずバランスがいい。見応えのある両門の滝は右をとり、標高940m付近にある二股は、谷がより鋭角に表記してある右をとった。これが正解であった。ほとんど稜線に出る手前まで快適なルンゼを行くことができた。尾根に出てから左に藪漕ぎして20分ぐらい。一番高いと思われる所でザックを下ろす。
 周りは笹藪で三角点は見あたらない。僕たち二人は三角点にこだわる性格ではないので探すのを止め、ビールで乾杯。早い昼食をとっていると、Nさんの真正面に、藪に隠れた三角点を発見。こんなようなものである。時間があるので、1220mの頭から、東に降りている枝沢をとって中ノ谷を下降することに決め、1220mの頭まで50分間の猛烈な藪漕ぎを、先頭を交代で藪と格闘する。まさに藪漕ぎは格闘技である。久々である。本来の奥美濃はこういうもんだろう。
 窪地で休憩し、このような話をしていると、心地良い風が吹き抜けていく。満ち足りた気持ちに、気持ちのよい肉体のだるさ。天国である。枝沢を下るに、なかなか水が出てこない。不動谷では、標高1000mを越えても水は枯れることはなかったが、この沢は標高900mでも水は出てこない。持っている水はとっくに無くなり、のどはからからである。流域面積が小さいのであろう。やっとのこと、本流と出会って水を飲むことが出来た。冷たくって最高にうまい。これを味わうだけでもいい。水は生命の源である。
 中ノ谷は不動谷と比べて平凡な沢である。蔵ケ谷出合の手前に15m程の滝が1本あるだけである。適度に緊張した不動谷遡行のあとの下降にはちょうどよい。金鉱山には15:20に到着。沢登は、足のそろった2名での遡行が最適である。スピーディーな行動は、安全に第一と思っています。今回同行していただいたNさんに感謝し、再度の山行を約束し、揖斐総合庁舎を後にしたのは陽がまだ高い時間だった。

記録: HT

不動滝偵察時の写真です。(この記録時とは別の日です。)