11/1: 西濃総合庁舎20:00→立山IC→馬場島11/2 1:00(テント泊)
11/2: 駐車場6:05→ブナクラ峠8:45→猫又山11:00→猫又山11:40→ブナクラ峠12:50→駐車場15:10→大垣21:45
今回の山行は先日のセルフレスキュー講習会(岩登り講習会)の時に、Iさんから主人にお誘いがあり、Kさんと一緒に私も参加させていただくこととなった。Iさんは10月の連休に赤谷山との縦走の予定が、天候が悪かったため赤谷山だけしかいけなかったそうで、再度計画されました。猫又山は剣岳北方に位置し、毛勝山、釜谷山とで毛勝三山と称されています。主人は今年5月にIさん、ETさんと毛勝山に登っています。その時撮ってきた剣岳の写真がとてもすばらしく、その三山の1つに登れるなんて夢見たいとわくわくしていました。又計画書の山行目的の欄を見て、そのあまりにもストレートな表現にまた感動してしまったのです。「登りたいだけ」・・・・・そうです。私も登りたいだけです。
又、この毛勝三山は主人にとっても思い出深い山なのだそうです。大学時代に山岳同好会の先輩と後輩との3人でまだ登山道の切り開かれていないこの毛勝三山に縦走したとのこと。8キロもの水を積んでとてもつらい山行だったようです。今では5〜6年ほど前に地元の有志の方々のご尽力で登山道が開かれ、誰でも入れる山になったそうです。
大垣を予定通り夜8時に出発し、木之本から北陸自動車道に入り、立山ICを経て、馬場島の最終の駐車場まで行く予定が、冬になると雪の重みに耐えられないためはずされてしまうという橋がはずされていたため、その手前で車をとめてテントを張って、仮眠を取ることになった。
時間は明けて2日の午前1時。「お前のいびきで一睡もできなかった。」と叱られながら4時30分に起床。こっちこそIさんと主人にはさまれて寝返りもうてなくて一睡もできなかったつもりなのでした。Kさんの手作りのおいしいトン汁で朝食を済ませ、テントも撤収し、身支度を整え、さあいよいよ出発です。私たちが起きて食事などの用意をしているときに、隣に車を止めてきた人は、地元の登山道を整備してくださる有志のお一人だそうで、今日は赤谷山の下草刈とのこと。私たちの少し前に出発されました。
はずされた橋から駐車予定地はさいわいすぐ近くでした。最初に堰堤があって、鉄バシゴが取り付けられているのですが、そこを登らず、やや急な斜面を登って登山道に入る。ブナクラ沢の右岸に沿って紅葉も終わりかかった樹林帯の中を歩き、小さな沢を5つほど渡り、最後にやや開かれた大きな沢(戸倉谷)を渡ると、前方にブナクラ峠と思しきくぼみが見えてきて、登りも急になってきた。すぐ近くのように見えてもなかなか近づかないものなのです。
この頃から右手やや後方に、剣から続くと思われる雪を頂いた稜線の一部も見えるようになってきて、苦しい中にも期待感もあって元気を与えてくれる。さらに傾斜も急になり、大きな岩が重なり合ったガラ場となる。それから少し登るとやっと峠へ到着。
登りきった真ん中にはお地蔵様があり、思わず手をあわせる。前を見てびっくり!すばらしい大展望ではありませんか。後ろ立山連峰の山々がずらり並んでいるではありませんか。この峠を右に行くと剣岳へと続く赤谷山、左に行くと猫又山です。峠からの登りはかなり急なやせ尾根の連続です。
影に行くと雪もついていて、慎重さが求められます。後ろを振り返ると、雪を頂いた剣岳の雄姿がすごい迫力で迫ってきて、疲れた体に元気を与えてくれるかのようです。剣が見えるたびにKさんと二人で「すごい!いい所に連れてきてもらったねえ。」とはしゃいでしまうのでした。頂上付近らしい草原状のような景色が見えていても、登っても登ってもなかなか到達できなかったけれど、バテながらもそこにたどり着くことができると、そこは広々としていて地塘も点在し、雪がところどころにかぶっていてその間に可憐なミヤマリンドウらしい花もいまだに少し咲き残っていました。夏ならさぞやお花がいっぱい咲いているのだろうと想像できます。その草原地帯を右寄りに登り、さらに左に曲がり、又さらに右に曲がったところが頂上です。
正面には釜谷山から毛勝山が、その右には後ろ立山連峰が、そしてなんといっても圧巻は剣岳!手に届くかのような近さなのです。その上富山平野の向こうには日本海までも見えるではありませんか。あまりにもすばらしい大パノラマにまたしてもKさんと二人で「いいところへ来たねえ」と今日はこれの連発となってしまった。頂上で昼食を取っていると50代後半ぐらいの男性2人のパーティが登ってきて、主人達はこの近辺の山の情報を教えてもらっていました。
お腹もふくれたところで下山です。草原地帯の終りあたりで、男女1組のパーティにも会いました。急な下りを慎重に降りてきて、峠につくと,又1人男性が登って見えましたが、今日はここまでだそうです。峠から下が意外と長く感じられ、けっこうコースタイムも費やし、やっと堰堤にたどり着くともう3時になっていました。せっかくなので堰堤にかかった鉄バシゴから降りることとなりこわごわながらどうにか降りて駐車場に到着し本日の山行を無事終えることができました。
帰りに「アルプスの湯」という保養施設に立ち寄って、汗を流し、今日の筋肉痛もほぐして帰路につきました。1人で往復10時間もの運転をして下さり、私たちをこんなすばらしい山にいざなって下さったIさん、ほんとうにありがとうございました。
記録:ST