鳥海山2230m・湯殿山1500m

日  時: 200651(月)夜〜4日(未明)

目  的:山スキー

メンバー:HT(CL),TK(SL),KH(),KK,ST,YK(記録)

    ス:

 5月1日(月)夜

   赤坂総合庁舎21:00→北陸道→

 5月2日(火)

   祓川駐車場0:007:10 (矢島口道)→七ツ釜避難小屋8:23→鳥海山山頂11:0511:35→祓川駐車場12:50
   山形道→月山志津温泉(泊)

 5月3日(水)祝日

   月山志津温泉8:10→送迎→月山スキー場8:50→リフト終点9:10→月山山頂11:20→        湯殿山山頂13:40→県立自然博物館15:10→月山志津温泉15:50→北陸道→

 5月4日(木)祝日 未明

   赤坂総合庁舎2:00

 

 山スキー、未熟な私がこんな本格的な山スキー山行に参加しても良いのだろうか?みんなの足手まといになってしまわないだろうか?技術的な不安があったけれども、それ以上の期待と好奇心で参加を決めてしまった。

 夜発、凄く長い距離をKHさん一人で運転!超人だ。私も以前、今回の目的地よりずっと手前(それでもかなり遠い)である新潟県長岡市まで運転した事があるが、あまりにの長さに発狂しそうなくらいであったというのに!

 日焼け止めと化粧は、車の運転中に済ませた。化粧なんて・・・と男性陣は思われるかもしれないが、日焼け止めクリームだけよりも、ファンデーションを塗っておくと、さらに日焼けが防げるのだ。化粧をする事により、山でナンパをするつもりではないので、あしからず!(笑)しかし、二日後に気付いたら、

鼻をかみ過ぎて、化粧も日焼け止めも剥げてしまい、鼻の頭と、鼻から口の上が立派に日に焼けてしまった。なんと間抜けな日焼けなのだろう。鼻の下が、真っ赤になり、ずっと痛くて、日焼け止めの重要性を改めて知ったのであった。2日後、鼻の下だけ皮がめくれてしまい、とても悲惨な事になってしまった。

私は、これでも結婚前で、まだまだ売り物(一応売り物)だというのに。(会社に出勤したら、「カールおじさん」のようだと会社の男の子達にからかわれてしまった。鼻の下だけ日焼けなんてとってもカッコ悪い。)

 どんよりとした雲の下、立派なブナの巨木を見ながら、車を走らせていく。今にも雨が降り出しそうだ。しかも、ガスっていて、山が全く見えない。天気が心配だ。そういえば、北陸道の途中、激しい雷雨に遭ったし。天気予報は全国的に晴れのはずだが、山の天気は、平地と同じとは限らない。しかし、車で近付くと、霧が晴れ、抜けるような青空をパックに、どっしりとした真っ白な鳥海山がどど〜んと現れ、ドラマチックな登場だ。(なんとも劇的な登場だ・・・と

HKさんは穏やかな口調で次の日に話されていた。本当にそうだ!)

 祓川登山口の駐車場には、立派なトイレあった。こんな標高の高い所にあると思えないような綺麗で立派な水洗式トイレ。私の会社よりも立派なトイレだ。

トイレットペーパーももちろん、鏡もあり、広い洗面台で、しっかりと化粧もできそう。(車の中でこっそり済ませたが)

 小屋の傍を通り抜け、なだらかな斜面を進む。進むにつれて、だんだん斜度が急になっていく。頂上付近は、斜めに迂回しないと急で登りにくい斜面になっていた。後から考えると、シールを付けて、まともに登った事の無い私にとっては、ウォーミングアップになりそうな、いい感じの斜面だった。

 登りは、苦しかったが、みんなさっさと登る。疲れてときどき振り返ると、眼下にすばらしい風景が!しかし、みんな、さっさと登っていく。こんな素晴らしい風景を見ないのは、すごくもったいない。TKさんとKHさんが、気を使って私に声をかけたり、歩調を合わせたりしてくださいった。ありがとうございます。

 雪の上だったし、登りで体が暑くなったせいか、鼻がつまって、息ができなくなり、鼻をかみながら登っていく。鼻をかみ過ぎて、鼻の下だけ、日焼け止めが取れてしまったらしい。後に、鼻の下だけ焼けてしまうという間抜けな日焼けになってしまうとは!その時は、まだ知らない・・・。

 鳥海山の眺めは最高、雪も最高!来て良かった!

登山口の時点で雲が下にあり、登っている途中に振り返ると雄大な雲海が広がっていた。雲海も素晴らしかったけれど、雲が無くても、単独峰なので、眼下に広がる景色も、また違った感じで、さぞかし雄大だろうと思った。途中は全く風が無かったのに、頂上(七高山?)は風がきつかったです。新山は見た感じ雪がつるつるに凍って登れそうもありません。

 風がきつくて、写真を撮った後、すぐに下山。日本海が見ながらスキーで降りるのだと思っていましたが、(どっちみち方向的に、日本海は見る事は出来なかった?)海では無く、海に負けないくらいずっと続く雲海を見ながら降りた。風景も、斜面も、雪のコンディション(ザラメ雪)も最高だった。さすがは、

山スキーで人気のある山だ!

たくさんのスキーヤーがいた。しかし、斜面が広いので、込み合った感じがしない。青空の下で、本当に最高のスキーを楽しむ事
できた。

たくさんのスキーヤーといえば、若い(?)男女のテレマークグループが滑っていた。さすがは若い(?)とあって、オシャレだ。たとえば、着ているウエアのメーカーは、なんとオシャレでし機能的なパタゴニア(しかも、とても高い!)。上衣だけで、私が今来ている冬用ヤッケが上下買える値段のはず!(とは、言っても、私のヤッケだって、安くないぞう!)そして、ザックは、ミーハーなオプスレイ!(ここにきて、オプスレイというメーカーはミーハーだという事を初めて知った。)オプスレイは、奥美濃の山で一度も見かけた事が無い。でも、TKさんとKHさんもザックはオプスレイだった。山スキーにはとても便利という事らしい。私は、頭が古いせいか、「ジッパー型」のオプスレイのザックよりも、古典的な形である袋状になった「雨フタ型」のザックの方が良いという固定観念がある。だから、自分はオプスレイを使ってみようという気がしない。(オプスレイを手に入れるには、岐阜には売っていなくて、名古屋まで買いにいかなくちゃいけない。・・・ああ、でも、岐阜の楽山荘にあったかも。)「ジッパー型」はジッパーが壊れてしまうと、大変な事になってしまうので。(昔に比べたら、ジッパーが壊れる事はとても少ないでしょうが)

 車での帰り道、道路脇には素晴らしいブナの巨木の林が続いているが、植林の杉の木がちらほら見える。ここは国定公園なので、ブナなどの従来から生えている木々の伐採が禁じられていないらしい。(KKさん曰く、国立公園なら禁じているとの事)このような素晴らしい自然が、お金のために、気軽に壊されていくのはもったいない事である。

 ブナの木の他に驚いたのは、道路を挟んでミズバショウが咲いている。この素晴らしい湿地の真ん中に道路が通っているのは、自然保護的にどうなのかと思う。(この道路があるお陰で、私達がこうやって、気軽に行けるのであるが)KHさんが言うには、このミズバショウは、このあたりの人にとって、珍しいものではなく、私達でいうタンポポンのような気軽な花で、守っていこうという意識がこの地方の人達には低いのではないじゃないかとの事。本当にたくさん見る事ができる。豊かな自然に囲まれ過ぎて、こういう自然を守っていこうという意識が低いのかなあ、と思った。

 途中、観光牧場?の売店で、ソフトクリームを食べた。フランクフルトや、プリンなどもあり、スイーツ好きで食いしん坊な私にとって魅力的な品々が売っていた。ソフトクリームを食べたら、お腹がいっぱいになってしまったが、あの、プリンも、おいしそうだったので、未だに気になる。来年も来て、こんどこそこのプリンを食べねば!

 数時間車で走って宿に着いた。宿は、なかなかいい感じ。建物がいいとかじゃなく、宿の人がアットホームでいい感じだった。宿の規模の割には、お風呂は広々としており、宿の裏にある池が見渡せた。池の周りは(池自身も一部)深い雪で覆われており、冬は、池自体もきっと雪で覆われていたに違いない。雪の無い水面には、黒いカモ(?)は3匹で泳いでいた。3匹並んで駐車場を歩いていたり、池を泳ぐ姿は、微笑ましくカワイイ。3匹はとても仲がいいらしく、私が見る限り常に一緒に行動しているようであった。(宿に着いた時も、次の日の朝も夕方も、常に3匹は一緒にいた。)

 料理も、山菜づくしで、しかもおいしい。こうやって地元の物をこうやっておいしく料理してあるのは、遠くから運んだ高級食材よりも、すごくいい!どぶろくのサービスもあり、ほんとうにいい宿だ。山菜ご飯もおいしかった。KHさんが、「これは、日光アマゴだよ」と教えてくれた。体にある点が、私達の済む岐阜のアマゴは白い点だけど、こっちの日光アマゴはオレンジの点だよとの事。KHさんの雑学の豊富さには関心する。(KHさんは、控え目な話し方をされるが、なのにすごく印象的な話をたくさんしてくれた。車でも、世界におけるいろいろな宗教の話とか、宇宙の話とか、いろんな話をしてくれて、面白かった。)

 次の日(5月4日)は、スキー場のロープウエイを使い、月山に登り、その後湯殿山に登った。ロープウエイからトラバースし、しばらく行ってから、登り始めた。

月山を登っている途中、雲海の向こうに昨日登った鳥海山が見えていたのには、感動!頂上より手前でスキー板をデポし、雪と岩がミックスされている所を歩いて登ると、まもなく頂上に着いた。鳥海山とは反対の方向に朝日連峰も見えて、とてもすばらしい展望だった。

頂上に神社があったが、屋根まで雪が積もっていていました。さすがは豪雪地帯。

 私達と行く方向とは違うルートにすばらしい斜面がありました。しかし、そこは、その後、登りや平な所が続く長いコースで、1泊しないと無理なコースだという事。

途中に避難小屋があり、そこで1泊するといいらしい。いつかは、泊まりも山スキーもしてみたいな。

 月山を下った後、鞍部までで降り、姥ヶ岳をトラバースするとスキーで降りるには、すばらしい斜面があった。気持ち良く降りた後、板をザックに着けて背負い、湯殿山を登った。途中、数カ所小さな薮がありちょっと難儀した。登山道なのに、何故、薮があるの?しばらく行くと、眼下に湯殿山神社が見えました。湯殿山は、神聖な山で、本当は登ってはいけないとか。(TKさんが数年前スキーで骨折したのはこのせいだった?)だから、薮が切り払っていなかったらしい。(知らなかったとはいえ、バチ当たりな事をしてしまった)神社の鳥居が私達の方を向いていた。もしかして、今、たくさんの人達が私達の方を向いて拝んでいるかもしれない。ああ、申し訳ないなあ・・・。

 そして、くたくたになって、湯殿山山頂に着き、しばらく休憩を取りました。お腹がとても空いたので、お弁当を食べようとすると、みんなに止められました。と言うのは、ここを下った所に、いいお弁当スポットがあるとの事。みんな毎年来ているので、そこでお弁当を食べるのがいつもの定番になっているらしい。STさんに、チョコレートやチーズを分けてもらった。(ありがとうございます!STさん)

 姥ヶ岳の斜面も素晴らしかったけれど、ここからの斜面も素晴らしい!!!しかも、私達以外に他に人がいなくて、(ここを滑るのはバチ当たりだから?)気持ち良く滑る事が出来ました。(私達の前に1〜2人ほど前にいたが、着いた頃には、先に下っていた)滑っている最中、何でもない所で転んでしまい、このまま一気に滑り降りてしまうのは、もったいなかったし、気持ちが良かったのでそのまま座り込んでいた。写真を撮ろうかと思い、いい構図を探そうときょろきょろと、あたりの景色を見ていた。すると、先に降りたHTさんが大声を話しかけるので、どうしたのかと思い、耳を済ませると、「ユリさんのすぐ下は、クレパスだよ!危ないから、トラバースしなさ〜い!」との事。よく見ると、大きな雪の割れがあり、ぱっくりと口を開いていました。思いっきり滑って突っ込んだら、大怪我しそう。やっぱり、山スキーって危ないんだあ・・・。

 クレパスを避けて滑って下ると、ブナ林の巨木の林が広がっていました。そこが、今日のお弁当スポットなのだそうだ。大きなブナの下で、旅館(民宿?)で作ってもらった、おにぎり弁当を食べた。KHさんが言うには、湯殿山からの斜面がメインディッシュだとすると、このブナ林を抜けるコースはデザートなのだそうだ。(だとすると、月山が前菜?前菜というに贅沢な、おいしくて食べごたえのある料理だあった)今日のコースは、豪華なフルコースと言った所でしょうか?

それにしても、地元では見る事のできない、見事なブナの巨木達です。そのブナの巨木には、やどり木がたくさんついていました。木に生える「やどり木」って不思議な木・・・。ブナの林を滑っていくと、池(湿地?)があり、ミズバショウがたくさん生えていた。本当に素晴らしい風景だ。

 いい体験をしてしまった。あまりに素晴らしい体験をしてしまったので、他の山で、山スキーをしても物足りないと感じてしまいそう。本当に良かった。