乗鞍岳(3025.6m)

 

山行日      ::2009418日(土)

メンバー  :KK(CL)、YA(SL),OK、OY(記録)

コースタイム  :岐阜県庁P 330=乗鞍高原休暇村P 620-650―三本滝レストハウス 739

―位ヶ原 1041―肩ノ小屋 1148-1230乗鞍山頂 1324―肩ノ小屋 1357-1423

―位ヶ原 1440―岐阜県庁P 2030

 

 いよいよ今年のメインイベントとなるであろう乗鞍岳スキー滑降の日がやってきた。こんなに早い出発は何年ぶりか? それでも、はやる気持ちは眠気を吹っ飛ばしてしまう。

安房トンネルをくぐり乗鞍高原休暇村には3時間で到着。駐車場には、すでに数グループが準備していた。目指す乗鞍岳はスキー場を通して純白の姿を見せている。スキー板は、ほとんど担ぐこともなく、リフト乗場からスキーを履く。先ずは休業直後のゲレンデをリフトに沿って行く。途中2箇所で乗鞍エコーラインに通じる道が除雪されていて横切るのにスキーを脱いで壁を攀じ登らなければならない。ここで中央アルプス駒ケ岳を眺望しながら休憩タイムをとる。

三本滝レストランに着けばスキーゲレンデの最上部となる。ここからは大きく切り開かれた樹林帯を乗鞍岳を正面に仰ぎながらシールを利かせて行く。樹林帯の上部に来ると右手に間近に中央アルプス駒ケ岳が現れた。このあたりから勾配が急となって気合を要れると森林限界になってくる。樹木は、まばらになって広々とした雪原に入っていくと、ここが位ヶ原だ。緩やかな斜面は締まっていて太陽光線にキラキラと光り、別世界に来た様。風が通るようになり気温も低くなって防寒服を着込む。

正面の鞍部の右側は摩利支天岳で、その傍らにコロナ観測所が見えてくる。その使命も今年で終えると聞いている。先ずは鞍部の肩の小屋を目指す。先行パーティは既に剣ヶ峰の腹部の中央に点在している。その左側にそびえる高天原もいつかは滑降してみたい魅力ある斜面となっている。肩の小屋は風が通るので、その奥にある宇宙線観測所に移動して後続を待った。

この先は頂上を目指すものと帰還を待つものに別れて行動した。OKさんを除く3名はスキーをデポしアイゼン、ピッケルを装備する。アイゼンの爪を雪面に食い込ませ朝日岳に向かって歩き出すが、けっこう雪面は硬く氷化していて、スリップしたら滑落するだろう。ただし、下部は鉢状になっていて止まれると思うのでビビルことはなかった。朝日岳は頂上を踏む必要はないので左へトラバースしながら剣ヶ峰との鞍部へコースを取る。YAさんは追従を諦めてマイペースで行くことになった。左側に回り込んでいくと雪面はいくらか軟らかくなっていて歩き易くなってきた。鞍部では滑降の準備をしているスキーのパーティやボードを背負ったまま強風の中、スノーシューで頂上を目指すパーティもいる。雪で覆われた権現池を右側に見ながらエビノシッポが氷着した鳥居を潜って剣ヶ峰に到着。360度開放された3000m峰からの、この時期にしか見られない眺望はすばらしいものだ。思わずKKさんと握手して登頂を祝福する。

撮影と眺望を楽しんだ後は二人の待つ肩の小屋へ急ぐ。アイゼンの爪は、しっかり利くので軽快に降りることができた。

昼食はそこそこにし、シールを剥がして大雪原の滑降が始まった。滑り始めの雪面はアイスバーンに近く、傾斜は緩くてもスピードに乗ってしまう。角度を大きく取りながらスピードを調節する。位ヶ原辺りで雪質は良くなって各々、思い思いのシュプールを描く。気持ちがすごくいい部分だ。樹林帯では雪が緩んで重くなり、脚の疲れも蓄積していて思うようにスキーを操れなくて、もどかしい。もう格好なんかどうでも良くなってきた。それでも休止中のスキーゲレンデでは何とか姿勢を保つことが出来るようになり、納得してスキーを脱いで大滑降を終えることが出来た。休暇村ホテルの温泉に漬かり疲れを癒して帰路についた。

思い出に残るベストの山の一つになったと思うし、スキー登山のすばらしさを認めることが出来たと思う。同行の皆さんに感謝します。