立山・内蔵助カール滑降(北アルプス)

2001年5月19日から5月20日

記録

現地の状況及び感想その他

  • 内蔵助カール滑降と聞いてちょっと気が引ける。正月の北アルプス大量遭難で3名が雪崩で命を落とした。会幹部から、十分注意してほしいと何度も電話やEメールが入る。奥美濃 土蔵岳の下山遅れで、「山岳スキー部」は休部の圧力がかかっている。山スキーは、基本的な雪山技術と体力、スピードの制御と転倒しない技術があれば、こんな有用なものはない。
  • ミクリガ池辺りからスキーを履く。めざす剣御前小屋(別山乗越)まで、標高差500mの雷鳥沢を登る。経験の浅い吾Rちゃんが転び始める。リーダーのT橋♂から、スキーを担いでツボ足で登るよう指示がある。
  • 斜度が増し、全員がスキーを担いで登るが稜線手前で5m程の雪庇に阻まれる。各自の突破方法で(ステップカット、トラバース、夏路を登る等)稜線に出る。
  • 稜線に出ると風が強くなり、あられ混じりの雨が降ってくる。ギリギリセーフで小屋に駆け込む。
  • 二日目は冬山装備に装束を整え、雷鳥の道案内で別山をめざす。吾Rちゃんが強風で手袋を飛ばし追いかけるが、追いつくはずもない。予備の手袋があり、事なきを得た。
  • 別山から真砂岳の稜線ではますます風が強くなる。真砂岳から先の雲がなかなか消えない。いつの間にか真砂岳頂上をパスして、下降点である富士ノ折立とのコルに出た。ガスが晴れるまで20分。余談だが、内蔵助カールには万年雪があり近年これが氷河と認定された。北アルプスの名だたるカールは山の東面に広がっている。
  • いよいよ滑降開始。滑り出しは垂直に近いがカールの底は平らで安心感がある。雪はクラストもせず、腐ってもいない。滑るにはもってこいの美味しい雪だ。それぞれの滑り(ジャンプターン、ウェーデルン、シュテムターン、斜滑降)で高度を下げていく。ほかに滑ったシュプールは見当たらない。途中、急なクロワールを慎重に滑る。あとは内蔵助平まで、滑りを楽しんだ。
  • 内蔵助平に着くと気温は一気に上昇。大汗をかいて黒四ダム河畔の展望台に出る。家族連れから不倫カップル?まで、観光客でにぎわっている。スカートを履いた女性が眩しく見え、下界に降りたことを実感する。                                       (記録:ET)

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