尾白川 黄連谷 右股遡行

1997年8月9日~8月11日

記録

メンバー

T橋♂(CL・気象・渉外)、坂T(SL・装備)、ET元会員(食料)、小林M子 元会員(会計、記録)

コースタイム

大垣(3:00)-小淵沢IC-尾白川林道終点P(7:00/7:20)-尾白川(7:30)-夫婦滝~噴水滝(9:40/10:00)本谷出合(11:00)-千丈滝(12:00)-岩小舎(12:30)
岩小舎(6:30)-二股(8:10)-奥千丈ノ滝手前(10:00/10:30)-岩小舎(14:30)
岩小舎(6:20)-尾白川入渓点(11:00/11:45)-林道終点P(12:00)-小淵沢IC-大垣(18:00)
8/9
8/10
8/11
参考

現地の状況、感想その他

コース概要:
 日本を代表する花崗岩の渓谷美にして、日本の名水百選に選ばれた清流で、駒ケ岳神社から不動の滝までは渓谷遊歩道が整備された観光ルートとなっている。不動の滝から黄蓮谷と尾白川本谷出合までの中流域は、淵あり滝ありの遊ぶのに最適の場所である。我々が遡行するメイン部分の黄蓮谷右俣は、甲斐駒ヶ岳頂上に突き上げ「百名谷」の一つに選ばれている所である。千丈の滝上から奥千丈の滝下までの間にビバーク地をとり、天候が良ければ最高の遡行になるであろう。
1日目:
 尾白川林道は、終点まで車が乗り入れ可能か心配されましたが、奥美濃の林道で鍛えた諸先輩は鼻がきく。途中工事のため通行不可の看板もあったが強引突破で、無事到着。久しぶりの渓流シューズをはき、いざ出発。尾白川へはいきなりの急下降で、入渓点に降り立つ。沢の水はもちろん南アルプスの天然水。タンニンを含んでいるのか、薄茶色のような、少し緑がかかったなんともいえない色合いだ。河原をしばらくゆくと、たっぷりの水量が流れ落ちる滝が現れる。固定ロープを頼りに、雨で濡れているから以外と滑りやすい花崗岩の足慣らし。その後も緑の深い淵、滝や釜を何度か越え、2回ほど細引きで確保しながら(されながら)先へ進む。沢が大きいせいか、開放感を味わいながらの遡行となる。欲を言えば青空であって欲しい。途中降り出した雨が本格的になったころ、千丈の滝が現れる。名前の通り大きな滝だ。右岸の山腹に取り付き越えていくのだが、雨は止みそうにもないので、本日は岩小舎泊まりとして逃げ込む。六畳2間ベランダ付の岩小舎は、天井の低さと岩からの滴が難点ではあるが、先客・来客もなく、貸し切り。時間はたっぷりあるので、景気づけに酒宴がはじまる。そのまま夕食へとなだれ込み、飯ごう炊きのご飯と各種煮物に満腹。暇つぶしに焚き火をして、7時には就寝。
2日目:
 4時起床。冷たい滴に悩まされなかったのは、私だけらしい。予定では、右岸から甲斐駒までつめ上がるのだが、CLとSLの協議の結果、奥千丈ノ滝まで空身で行くことに決定。あいかわらず小雨がぱらつく中、出発する。沢は多少水量を増したようだ。坊主の滝手前からは、大きく高巻き、右俣と左俣出合で沢に戻る。核心部はまだまだ先だが、昨日の遡行に比べると傾斜がきつい。逆層のもろい花崗岩も嫌らしい。進む右俣はいったん優しい渓相となり、少し冷たいシャワークライムをして、快適と思うのもつかの間。奥千丈ノ滝付近で行く手を阻まれる。右岸のガレをつめると、あまりにもろい岩に行き場を失う。S氏がハーケンを打ち上を目指すが、ここまで。引き返すこととなる。水量が少なければ、左岸の滝のへりをつめていくようだ。登りに比べ下りはさらに厳しい。2回の懸垂下降を交え(緊張した。)、岩小舎へ戻る。雨も上がり、本日も時間があるので、焚き火を盛大にするといって息巻くS氏さんを肴に酒を飲む。(自称、全日本焚き火連合会長のET氏も遠巻きに見守るしかないほどの意気込みだった。)
 夕食後、なおも焚き火は勢いよく、大将はこのまま焚き火のそばで寝るという。 さまになりすぎ、、、(注:大将=HT氏)
3日目:
 さて、本日は下るのみ。同じコースを戻るわけだが、なんと記憶のあやふやなことで・・・、帰りの風景を頭に入れておくのも重要なことなのだ。夏休みの始まりを思わせるように、数組のパーティーとすれ違う。下界は猛暑のようで、下るほど暑さが増してくる。もう泳ぐしかない!入渓点につくやいなや、みな沢に飛び込む。泳いだり、流れたり、楽しんだ後、林道への急登で山行終了となる。帰途、小渕沢IC近くの“スパティオ小渕沢”で汗を流し一路大垣をめざす。安八のHT家では、S婦人がご馳走で迎えてくれ、最高の打ち上げとなった。

写真